PROJECT プロジェクトストーリー




道内老舗企業の危機に挑め!
承継からはじまる全面伴走プロジェクト
道内老舗企業の危機に挑め!
承継からはじまる
全面伴走プロジェクト
概要 OUTLINE
道内では老舗の企業であるH社は、社長退任後の後継者の不在をはじめ、離職率の拡大などの課題に悩まされてきた。そこでHKPは事業承継のサポートから新社長を中心とする経営陣の採用、人事制度の導入や製造現場の改善など、各種ソリューションを提案。長く安心して働ける職場づくりとともに、収益状況の改善に貢献した。ここまでの歩みや支援の裏側について、プロジェクトメンバーの4名に語ってもらった。
プロジェクトメンバー MEMBER

人材事業部
ディレクター
西尾早苗
2020年入社

承継事業部
マネージングディレクター
宮崎俊輔
2020年入社

コンサルティング事業部
マネージャー
山口桃子
2023年入社

コンサルティング事業部
コンサルタント
大廣一貴
2022年入社
EPISODE 01 出会い、そして企業の再スタートへ 出会い、そして企業の 再スタートへ
―まず今回のプロジェクトは、どのように始まったのですか?

北洋銀行として取引のあるH社から、事業承継の課題を抱えていると相談を受けたことがきっかけです。社長とお会いして話を聞いたところ、親族や社内に後継者候補がいないとのこと。そのためこれまで育ててきた会社を、信頼できるどなたかに任せたいというのが社長の希望でした。そこで私たちが「事業承継ファンド」を通じた承継方法をご提案しました。
―事業承継ファンドとは、どのようなものでしょうか?
簡単に言うと、北洋銀行を中心に集まったファンドがお客様の株主となり、経営に参加する手法です。社外からのアドバイスではなく実際に社内の経営側に立つことで、事業承継はもちろんその他の経営全体をサポートすることが可能になります。ファンドによる事業承継をH社へご提案し、議論の末にファンドによる支援が決定、事業承継に向けたサポートが始まりました。そこで直面した大きな課題が、次なる社長を探すことです。早速ハイクラス人材のスペシャリストである人材事業部に、協力を仰ぎました。

宮崎さんから相談されたのが、その年の12月くらい。現社長の退任は翌年3月末と聞きました。ちょうどその時、道外のある企業で社長をされている方の転職支援を行っており、翌年3月末で退任予定で、4月から地元北海道で仕事をしたいというご希望でした。その方のキャリアプランや業務内容も、支援先の企業とマッチしていて運命的なタイミングでした。
人材事業部や私も交えた面談を行い、この方なら間違いないと決意が固まりました。退任される社長ともお話いただき、正式に新社長として就任が確定。並行して承継事業部が動いていた、承継に向けた株式の交渉については、ここでは話せないことが多いのですが、最終的にファンドによる事業承継が完了し、翌4月から新しい代表取締役社長のもとで、新しい体制がスタートすることができました。
EPISODE 02 辞めない組織は、強い組織
―無事、新しいスタートを切ったのですね。そこからは順調だったのですか?

いえ、やるべきことはまだまだありました。まずは採用の安定化のために、同社の採用サイトの構築から始めました。一方で同時期に社長から相談を受けたのが、人事制度の構築でした。社員をどう評価して、報酬を決めていくか。その評価軸がルール化されておらず、社内で明確になっていなかったのです。
承継前からのH社の課題として、離職率の高さがありました。自分が会社にどう評価されるかが見えないと、社員のモチベーションは上がりません。そういった悪循環を断ち切ることが、私たちHKPの最優先事項でした。
社長と幹部の皆様と、膝を詰めて議論しながら、伸ばしてほしい社員の能力、理想の成長ステップなどを制度として落とし込んでいきました。完成した後は社員のみなさんへの説明資料の作成も弊社で支援し、ご理解いただけるようサポートしました。この制度は現在も運用されています。評価する立場の管理職の方への研修会も開き、“評価する側のスキル”も含めてサポートしています。
その後に行った社内アンケートでは、ポジティブな意見を多くいただきました。「自分のやるべきことがはっきりした」「前向きに働けるようになった」などの言葉には勇気づけられましたし、私どもの取り組みは間違っていないと感じ、自信につながりました。
―人事制度や採用のサポートに続いて、同社の製造現場に関わるサポートも始まったと聞きました。

宮崎さんから、H社で倉庫の新築を考えているとご相談いただきました。実際に視察に伺ったところ、新しくするだけではなく、5S※の面でもサポートの余地があるということがわかりました。資材の整頓を徹底しないと生産効率も下がりますし、事故にもつながりかねません。社内の工場によって環境も違うので、各現場とコミュニケーションをとった上で、ただの倉庫建設単体ではない生産現場づくりのコンサルティングを担当させていただいております。着工はもう少し先なので、息の長いプロジェクトです。
※「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5項目で構成され、職場環境の改善や維持のために各項目の向上を目指すスローガン。
おなじコンサルティング事業部ですが、大廣さんのサポートは自分とは領域が違うため、詳しく聞くとスケールが大きさに驚きました。
社員それぞれが自分の強みを活かして、同じお客様をサポートできるのは、HKPの強み。自分でカバーできない課題があっても、あの部署のあの人に相談すれば、解決ができるかも。そんなふうに思えるのは心強いです。
―複数の支援が同時並行で進んでいたのですね。管理職人材の支援も動かれていたのでしょうか?
そうですね。社内の体制を強化したいという社長の思いがあり、他のソリューションと並行しながらサポートを続けています。管理部門の責任者人材や、生産管理を取り仕切るポストの人材のスカウトも行いました。
―そんなにですか!毎回然るべき人材を見つけているのはすごいと感じます。
企業側の状況や人材に期待するミッションについて社長に直接ヒアリングが出来る関係性であることから、候補者に求人の魅力を詳しく伝えられるので、強く興味を持ってもらうことが出来ました。根気強く探すこと、そして企業・候補者どちらともしっかり対話することが大切だと感じています。
社長からは、「西尾さんが頑張ってくれたんだよ」とお話を聞いていました。同じチームとして信頼していただけているのは、HKPとしても誇らしいです。

EPISODE 03 自走できる企業へ、伴走はつづく 自走できる企業へ、 伴走はつづく
―同社へのサポートは、現在も継続しているんですか?
もちろんです。私はファンドの責任者として経営にも参画しています。人材は採用から定着するまでフォローし、人事制度は企画後も導入・運用支援を行い、自走するまでケアし続けるのが伴走支援ですから。
―なるほど。支援を通じて、H社はどのように変わったと感じますか?
社長からは、積極的に動ける社員が増えたとお聞きしました。社内自体の雰囲気も明るくなったように感じますし、努力が評価される環境になったことで、社内の頑張りが数字にも表れています。
支援をスタートして業績は好調を維持しています。社長の手腕によるところがすごく大きいというのが第一にあります。私たちはその思いをカタチにしていくために、これからもさまざまな領域からのサポートを続けていきます。
―ありがとうございます。最後にこの案件で感じたことや、率直な思いを聞かせてください。
私自身ももちろんそうですが、お客様からHKPの誰かへのお褒めの言葉を聞くのがとても嬉しいです。やる気にもつながりますし、その分、最大限力になりたい。クライアントの名刺を持っているつもりで、日々お客様のサポートに取り組んでいます。
チームとしてお客様をサポートしているといつも感じますね。このケースは特に顕著ですが、HKPが持つそれぞれの専門性を活かし一つの会社を多面的に支援できている。そんなHKPの強みを、自分でも改めて感じた案件です。
お客様のご協力ももちろん大きいです。採用では社長と何度もコミュニケーションをとり、一緒に考える場面も多いのですが、いつも熱量を持って向き合ってくださります。目の前の社長に全力を尽くしたい、やれることは全部やろう、そんな想いですね。
私は経営にも関わっているので少し立場が違いますが、自走できる組織になってもらうことが何より重要だと思っています。ファンドは期間が決まっているため、私たちの手元から離れるまでに強い組織を作り上げ、しっかりと走り出していただきたい。そのための支援には力を惜しみませんし、頼れるメンバーがいるHKPだからこそ、私も安心して最後までやり抜くことができると感じています。
―ありがとうございます。みなさんの熱い思いが、よく伝わりました。